買ってから考える

<投稿頻度鈍化中>ゲームとフィギュアとガジェットとバイク(690SMC R)にお金をかける人のログ。

QNAP ハイエンドNAS TS-873-4G & 5GbE対応LANカード QXG-5G4T-111C & QXG-5G1T-111C レビュー【PR】

なんと、以前レビューしたイーサネットアダプターのメーカーであるQNAP様より、NASを使用したPR記事のご依頼をいただきました。

ご連絡頂いたときはびっくりしました。こんな零細ブログでも続けてみるといいことがあるものですね……。

「PR記事だからといって良い事だけではなく、悪いこともしっかり伝えます」と伝えたところ、「率直な意見を」とご了承いただいたので、いつものレビューのように書いていきます。

ハイエンドNAS TS-873-4G & 5GbE対応LANカード QXG-5G4T-111C & QXG-5G1T-111C

f:id:xmatz:20200927005218j:plain

お借りしたのは、QNAPが中小企業向けとして発売しているハイエンドNASのTS-873-4Gと、PCIスロット用の5GbELANカードのQXG-5G4T-111CとQXG-5G1T-111Cです。

今回は5GbE環境とSSDによるキャッシュ効果で、NASはどこまで快適になるのか?という趣旨の記事です。

 

導入した5Gbps環境が快適なので、今使っているNASもテコ入れはしたいとは思っているのですが、アダプター1つにしても結構なコストが……。

実はこのNASも個人向けでないこともあってか、非常に高価なんです。気軽に手が出せる代物ではないので、今回のレビューは「気になる環境の体験ができる」と楽しみにしていました。

 

f:id:xmatz:20200927013702j:plain

ちなみに今回はSSD(SA500/SATA6G/R:560MB/s W:530MB/s)とHDD(WD4003FFBX/SATA6G/256MB 7200rpm)もお借りしました。

ともにNAS向け鉄板のWD Redシリーズですが、HDDに関してはWD Red Proという更に上位の物のようですね。

 

f:id:xmatz:20200927010919j:plain

まずはメインのNASから見ていきます。付属品はLANケーブルが2本、電源ケーブルとネジ類、マニュアル一式。

HDD/SSDを8つ搭載できるので当然ではあるのですが、やはり大きくて重い……。小型PCくらいの存在感があります。

 

f:id:xmatz:20200927011035j:plain

ちなみに袋の中はこんな感じです。左下のアイテムはM.2SSD用のヒートシンクでした。

 

f:id:xmatz:20200927021854j:plain

HDD/SSDは前面から交換可能。セットアップもですが、トラブル時も楽なのは良いですよね。

ただこの引き出すパーツがプラスチックなのは、強度的な信頼性に欠けるかなと。

お世辞にも引き出しやすいとも言えず、不意に壊してしまいそうな印象。金属製であってほしかったです。

 

f:id:xmatz:20200927012647j:plain

電源ボタンの下にUSBポートと謎のボタンがありますが、これはUSBメモリなどから画像データを取り込むためのものらしいです。

NASって基本的に目の届くところに置かないので、あまりというか使わなさそうです……。

 

その下には「10GbE Expansion」のバッジが光っていますが、Expansion=拡張が可能ということなので、ちょっと紛らわしいですよね。本機だけだと1GbEとなっています。

  

f:id:xmatz:20200927010926j:plain

右側面には「Q」をモチーフにした吸気口が配されています。この位置にCPUファンがあるようですね。

 

f:id:xmatz:20200927011026j:plain

一方、左側面は控えめの吸気口。一応ドライブの両端から吸気できるようにはなっているようです。

 

f:id:xmatz:20200927011532j:plain

背面は1GbEポートが4つとUSBポートが3つ、音声周りのポート類と拡張スロット。そして排熱用の12cmファンが2つもあります。スピーカーも内蔵されていました。

 

f:id:xmatz:20200927013616j:plain

底面にはしっかりとしたゴム足が配置されています。重さも相まって全く動きません。

 

f:id:xmatz:20200927013927j:plain

3つのネジを取り外すとカバーが外れ、内部にアクセスできるようになります。

かなり小さいネジだったので、可能であれば手回しネジにしてほしい……。

 

f:id:xmatz:20200927013935j:plain

ファン部分をチェック。ドライブ部分の後ろにはそこそこ空間があるので、エアフローは悪くなさそうです。

 

f:id:xmatz:20200927013941j:plain

PCIスロットはx4が2つ。LANカードや対応したグラボを積めるそうです。NASとは思えないほどの拡張性。

 

f:id:xmatz:20200927013944j:plain

メモリは2GBが2枚セットされていました。空きスロットも2つあったので、手持ちのメモリがあれば増設も可能です。

 

f:id:xmatz:20200927013947j:plain

その下側にはM.2 SSD用のスロットが2つ。ちゃんと温度計も付いていました。


f:id:xmatz:20200927013915j:plain

早速セットアップ……の前に、LANカードを開封しましょう。

今回はデスクトップPC用に1ポートのものと、NAS用に4ポートのものをお借りしていますが、NAS専用・PC専用ということはなく、どちらに使っても問題はありません。

4ポートタイプは発熱も凄いのか、冷却ファンが付いているのが印象的ですね。

 

f:id:xmatz:20200927020527j:plain

気になる点としては、4ポートタイプはポート同士の間隔が近いかなと。

コネクタ周りが太めのLANケーブルだと干渉するものもあるかもしれませんね。

 

f:id:xmatz:20200927015820j:plain

付属品は交換用ブラケットと、固定ネジ、マニュアルです。

 

f:id:xmatz:20200927015828j:plain

初期状態ではロープロファイル用のブラケットが付いていますが、フルハイトのブラケットとロープロファイルフラットのブラケットにも対応しています。

 

f:id:xmatz:20200927020857j:plain

NAS、PCともにロープロファイルのままでは使えないので、フルハイトサイズに交換しました。

赤いマジックの付いたブラケット側の大きなネジを外します。

 

f:id:xmatz:20200927020924j:plain

あとは付け替えてネジを締めるだけ。

1ポートタイプは大きいネジだったので簡単だったのですが、4ポートタイプはネジが小さく、精密ドライバーが必須でした。
  

f:id:xmatz:20200927022931j:plain

それでは改めてセットアップを開始。まずはHDDから。

取り外したHDDブラケットのサイドパーツを外します。

 

f:id:xmatz:20200927022945j:plain

HDDをセットしたらサイドパーツを戻すだけ。ツールレスで簡単ですし、青いゴムで振動対策もバッチリですね。

 

f:id:xmatz:20200927022951j:plain

サイドパーツだけでもしっかりと固定されますが、更に固定したい方は付属のネジを裏面から締めてもOKです。

 

f:id:xmatz:20200927022954j:plain

ツールレスのおかげで数分でセット完了。HDDは4つお借りしているので圧巻です。重さも更にアップ……。

 

f:id:xmatz:20200927024831j:plain

お次はSSDのセット。ここで若干のトラブルが発生します。この写真でわかりますか?

 

f:id:xmatz:20200927024820j:plain

フレームが邪魔をしてドライバーが真っ直ぐ届かないんです……。

先の細いドライバーだったので辛うじて回せましたが、ネジも小さいので下手に回すとナメてしまいますし、ここは改善の余地がありますね。

 

f:id:xmatz:20200927030113j:plain

LANカードのセットでも似たようなトラブルが発生。電源が邪魔でネジが回せない……。

 

f:id:xmatz:20200927030116j:plain

電源の固定を外してLANカードを装着。よっぽど短いドライバーを使うか、これしか方法が無い気がします。

最近のPCケースでは手回しのものもあるので、改善してほしいところですね。

 

f:id:xmatz:20200927030119j:plain

最後の最後に苦労しましたが、これにてNASのハード側は準備完了です。

ドライバーのインストールなどは特に必要なく、自動で認識してくれました。

 

f:id:xmatz:20200927030124j:plain

PCにもLANカードを装着。USBイーサネットアダプターの時と同様にドライバーのインストールが必要でした。

 

f:id:xmatz:20200927030854j:plain

LANケーブルでネットワークへ繋いだら、Qfinder Proというユーティリティを使用してNASのセットアップを進めます。

IPを叩いたりする必要もなく、自動で見つけてくれるのは楽でいいですね。

 

f:id:xmatz:20200927030859j:plain

スマートインストールガイドに飛ぶと、ここから先はブラウザで操作になります。

最初にアカウントの設定や日付(インターネットからの取得可)、接続の設定を行っていきます。

設定とはいいつつも、よっぽどのことがない限り自動設定を選ぶことになると思います。

 

f:id:xmatz:20200927030905j:plain

あっという間に完了。この上なく簡単です。

 

f:id:xmatz:20200927034856j:plain

メニューはモバイルOSライクで分かりやすいですね。

様々な機能があるので端から試したくなるところですが、ストレージの設定を行っていきます。 

  

f:id:xmatz:20200927030910j:plain

現在使っているNASと比較したかったので、ストレージプールはRAID1で作成。

今回は無効化していますが、SSD+HDDといった異なる種類のドライブをストレージプールにすることで、アクセス頻度によるデータ配置を行ってくれるQtierというものもあるようです。

NASからこまめにデータを取り出すような使い方をする方には、よさそうなシステムですね。

 

f:id:xmatz:20200927042151j:plain

そしてキモであるSSDのキャッシュ設定。読み書きで有効にするので、キャッシュ保護のためRAID1で作成しました。

 

f:id:xmatz:20200927043057j:plain

キャッシュモードは2種類ありますが、とにかくキャッシュを使ってみるという意味で「すべてのI/Oモード」にしてみました。

このモードについて調べてみたのですが、あまりにキャッシュを使いすぎると、SSDが詰まって逆に足を引っ張ってしまうということもあるようです。

その場合はランダムI/Oモードで、ヒットするファイルにある程度制限をかけたほうが安定した転送に繋がるとのことでした。

 

f:id:xmatz:20200927123726j:plain

設定が完了しました。試しにファイルをコピーして見たところ、ヒット率のグラフが稼働しているので、キャッシュはしっかりと効いているようです。

 

f:id:xmatz:20200927123851p:plain

今回はベンチマークを行い、現環境との違いをチェックしたいと思います。

現環境はSynologyのDS216J(1GbE)にHDDはWESTERN DIGITAL WD60EFRX(SATA6G/64MB 5400rpm)をRAID1で搭載。

やや回転数が低いのとキャッシュメモリのサイズが大きく異なるので、あくまでも参考値として掲載。

更に前はnasneを使っていたので、これでもかなり速くなったと感じていました。

 

f:id:xmatz:20200927125853p:plain

まずはTS-873-4Gを1GbEで接続、SSDキャッシュオフ時の結果です。

なんか既に現環境よりも速いんですけど……。

 

シーケンシャルの数値が1GbE(125MB/s)の速度に近いので、効率よく転送できているNASの性能の高さを感じます。

一応HDDの差も考慮して、これも参考値程度にしておきましょう。

 

f:id:xmatz:20200927132154p:plain

こちらは1GbEのままSSDキャッシュをオンにしたもの。

SSDキャッシュオフ時に比べると、ランダムマルチのリードとライトが倍以上に伸びています。

ただやはり115MB/s前後止まりなのは、1GbEの限界なのでしょうね。

 

f:id:xmatz:20200927130817p:plain

お次はQXG-5G1T-111Cと繋いで5GbE接続です。SSDキャッシュオフの結果がこちら。

正直目を疑いました。5GbEにしただけでこんなに伸びるものなんでしょうか。

数値的にはHDDの限界っぽいですし、高性能なNASを使うなら1GbE接続はかなりもったいないことがわかります。

 

f:id:xmatz:20200927133419p:plain

そして大本命の5GbE接続、かつSSDキャッシュオンです。

シーケンシャルライトが倍以上という結果に加え、ランダムアクセスの数値も大幅に向上しています。

SSDの性能をフルに活かすためには、5GbE以上が必須で間違いないでしょう。

 

少し気になったのは、シーケンシャルリードの数値から察するに、ネットワークよりも先にSATASSDがボトルネックになっていそうな点です。

より速度を追求するのであれば、QM2拡張カードのQM2-2P-344を使用し、NVMeSSDをキャッシュに設定したほうがいいのでしょう。

 

ただNVMeSSDを使ったところで、次に立ちはだかるのは5GbE(625MB/s)の壁。

どんなに速いSSDでもSATASSD+100MB/s程度という結果でしょうし、5GbE環境ではSATAを超える爆速感は得られなさそうです。

そのため、NVMeSSDを積むのであれば、より高速な10GbE(1250MB/s)に対応したLANカードのQXG-10G1Tの導入も視野にいれましょう。高速化の沼は深いのです……。

 

f:id:xmatz:20200927135906j:plain

おまけに私物のイーサネットアダプター QNA-UC5G1Tでも試してみました。

左がSSDキャッシュオフ、右がSSDキャッシュオンです。

当然1GbEよりは速いものの、PCI接続のQXG-5G1T-111Cと比較すると全体的に数値が低めなので、ロスが多いのでしょうか。

デスクトップPCで使うならPCI接続の方がよさそうですね。

 

圧倒的な速さの5GbE。最大の壁は価格……

ベンチマークの結果から明らかなように、5GbEのNASは文字通りの爆速でした。ここまで速いとローカルに置かなくてもよくなってきますね。

SSDを載せなくても5GbE単体でかなり速いと感じたので、読み書きをよっぽど頻繁にしないのであれば、SSDキャッシュ無しで運用しても問題はないかなと思います。

  

また、本機はAMDのRX-421NDというクアッドコアCPUを搭載しているのですが、イーサネットSSDとは別にNASの処理性能自体にも大きな差を感じましたね。

ブラウザで設定をしていても非常にサクサクしていますし、エクスプローラーのレスポンスも明らかに良いので、テストをしていて常に快適な印象でした。

 

使っていて気になったのはセットアップに難儀する本体構造と、CPUファンの音でしょうか。

長時間データをコピーしていたところ、戦闘機のような高い音を出し始めたのはびっくりしました。

小型のファンが全力で回るので仕方がないのですが、大型のファンを載せて回転数を落とすというのも検討してほしいところ。

 

あと環境構築時の注意点なのですが、クライアントPCの読み書きするストレージがHDDだと、そちらがボトルネックになり、5GbEのスピードは活かすことはできません。

せっかく使うのであればSATAでもM.2でもいいので、PC側もSSDストレージ化を進めたいところ。

更に高速に通信したいのであれば。PC側もQM2-2P-344を装着するというのもありですよ。

  

今回、雲の上の機材を借りてレビューさせていただいたのですが、上の世界を気軽に知ってはいけないですね……。この速さはもう1GbEに戻りたくないと思わせてくれるものでした。

ただ個人で構築するにはまだまだハードルが高いのが実情です。

NAS単体で12万円、4ポートLANカードで3万円、1ポートLANカードで1万円。これにストレージを追加するとなると……うーん。

一般化して数が出るようになると、値段がこなれてくると思うのですが、まだまだ1GbEの天下は続きそうですからね……。

1GbEを駆逐する勢いでもう少し頑張ってほしいところです。

   

QNAP(キューナップ)QNAPの10 GbEネットワーク拡張カード QXG-10G1T

QNAP(キューナップ)QNAPの10 GbEネットワーク拡張カード QXG-10G1T

  • 発売日: 2018/04/10
  • メディア: Personal Computers